マレーシア社会・生活ニュース
【クアラルンプール】 マレーシアでイスラム教の教義を決定する最高会議である全国宗教令(ファトワ)委員会は22日、イスラム教徒のヨガの禁止を発表した。ヨガの起原はヒンズー教とされるが、今日では世界中で宗教からは分離した形で健康促進や瞑想などの目的で広まっている。 ファトワ委員会のアブドル・シュコル・フシン会長は、ヨガに含まれる「神と一体になる」ための詠唱や崇拝などの要素がイスラム教の教えに反する「ハラム」であると述べ、イスラム教徒は「ハラム」とされる詠唱や崇拝の動作などを含まない単なる運動としてのヨガ自体も「イスラム教の信仰を蝕むものにつながる恐れがある」として禁止するとの見解を示した。 同会長はまた、「シンガポールやエジプトでもイスラム教徒のヨガは禁止されている」、「ヨガの歴史や目的などの側面からも充分検討した結果での禁止だ」と述べた上で、異教徒のヨガ実施は問題ないと付け加えた。最近ではマレーシア国民大学(UKM)イスラム研究学部のザカリア・スタパ教授がイスラム教徒のヨガ実施を控えるよう提唱していた。 首都圏クラン・バレー一帯だけでも登録しているヨガ・インストラクター数は3万人にのぼり、うち3割がイスラム教徒だという。 アディダスのヨガウエアの広告塔でヨガ・インストラクターのニニー・アハマド氏は、禁止の発表に対し遺憾の意を表し、「ヨガは私の収入源」と述べ、イスラム教徒である自身が経営する来月オープン予定の3軒のヨガセンターも予定通りにオープンするよりほかはないが、今回の決定が今後どう影響するかは不明、とコメントした。 他にもシスターズ・イン・イスラム(SIS)などのイスラム教団体からも今回のファトワ委員会の決定は残念とのコメントが出されたが、ヨガを実践するイスラム教徒の中には、「委員会の決定に従い、ヨガをやめる」という意見も出ているという。
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