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サラワク州首相一族の汚職証拠ビデオ公表 英NGOが秘密裏に撮影

2013年03月22日 06:53 JST配信

【クチン】 サラワク州で長期政権を敷いているアブドル・タイブ州首相一族が関係する木材伐採に関する汚職疑惑で、新たな隠しビデオ映像が英国の非政府組織(NGO)「グローバル・ウィットネス」(GW)によって公表され、いよいよタイブ・ファミリーが窮地に陥っている。

同疑惑について2年前から調査に乗り出した汚職摘発委員会(MACC)は今回のビデオ証拠にも大いに関心を示しており、調査が大いに進展するとみられる。同州弁護士会は、ビデオに登場する弁護士を召喚する方針だ。民間団体や野党はタイブ氏に対する攻撃を強めており、タイブ氏に辞任を求める声が上がっている。与党連合・国民戦線(BN)にとっても痛手で、次期総選挙にも微妙な影響を及ぼす可能性がある。タイブ氏本人は、ビデオが悪いいたずらであるとし自分を貶めるものだと主張している。

16分間の隠しビデオ映像には、タイブ氏の従姉妹でアブドル・ラーマン・ヤクブ前州首相の娘や弁護士などが登場。バイヤーに扮したGWのアンダーカバーが土地購入をもちかけ、従姉妹らが得意げに不正取り引きの手順を説明している様子が映っている。

スイス系ブルーノ・マンザー・ファンドは、タイブ氏の個人資産が150億米ドル(460億リンギ)でマレーシアのトップ資産家だとし、ファミリー全体で210億米ドル(640億リンギ)に上るとするリポートを発表。資産を豪州やカナダ、香港、英国、米国に分散して保有していると指摘している。

かねてからタイブ氏が公営地の売買や木材伐採許可の権限を独占していることが、巨額の利権につながっていると指摘されている。縁故主義、ファミリービジネスを通じた利権収入の噂は絶えず、2007年には日本の海運9社が同州首相の弟が代表する政府系企業と丸太輸送の協定を締結しリベートを長年支払っていたことを東京国税局が明らかにした。内部告発サイト「ウィキリークス」は、駐マレーシア米国大使館が公電でタイブ氏が汚職まみれと指摘していたことを暴露している。

30年にわたるタイブ州首相の長期政権への反発は根強く、2011年に行われた州議会選挙では、BNが3分の2の安定多数を確保したものの、タイブ氏への批判や華人票の流出、都市部でのBNの弱体化などにより解散前の62議席から55議席へと7議席減っていた。

(マレーシアン・インサイダー、エッジ電子版、ザ・サン、3月21日)

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