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入国審査基準、政府の「手心」が明るみに

2012年03月21日 15:09 JST配信

【クアラルンプール】 不法労働目的の外国人流入を阻止するために出された出入国管理局の通達が、観光客の誘致を促進したい政府の意向で無効とされていたことが、英字紙「ニュー・ストレーツ・タイムズ」の取材で6年ぶりに分かった。観光客誘致を優先するあまりに国家安全を犠牲にするに等しく、各方面から批判の声を上がっている。
2006年5月に出された最初の通達は、出入国管理官の入国審査のガイドラインを示したもので、マレーシア滞在中の費用を賄えるだけの経済力(1日あたり50米ドル=153リンギ)を証明するよう観光客に質問することを管理官に求めていた。管理官にはさらに、帰国のための復路航空券やホテルの予約証明書の提示も観光客に求めるよう指導を受けていたという。
同紙が入手した2度目の通達は、同年8月17日に行われた観光促進に関する閣内委員会を受けて同年9月26日付けで出されたもので、入国審査の際に「外国人に余計な質問しない」ように出入国管理官に指示していた。ある出入国管理局幹部は、他の国では当たり前のように行われている宿泊場所や所持金などの最も基本的な質問も禁じられたと証言した。
厳しい入国審査によって外国人観光客が減少することを懸念する観光業界の意向を受けたもので、当時のある閣僚は「国家安全に妥協を持ち込むもの」と閣内決定に不満だった心情を吐露した。
2011年の出入国統計によると、同年に入国拒否を受けた外国人は2万2,127人だった。米国務省は2011年の人身売買報告書の中で、マレーシアを人身売買のウォッチ(特別監視)リストに入れている。

ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月19、20日

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