- マレーシアの公用語と多言語社会の実態
- 英語はどの程度通じる?
- 移住生活で覚えておくと便利なマレー語表現集
多民族国家であるマレーシアでは、マレー語・英語・中国語・タミル語など多くの言語が日常的に使われています。
移住や旅行、仕事でマレーシアを訪れる際、言葉が通じるかどうかは重要なポイントです。
この記事では、現地で使われる言語事情や必要な英語力、実際の生活で役立つ表現まで詳しく解説します。
マレーシアの公用語と多言語社会の実態

マレーシアは多民族国家として知られ、日常的に複数の言語が飛び交うユニークな社会です。
公用語であるマレー語に加え、英語や中国語、タミル語なども広く使われており、生活やビジネスの現場では多言語環境が当たり前です。
まずはその多彩な言語事情を理解しておきましょう。
公用語はマレー語、でも英語は第2の共通語
マレーシアの正式な公用語はマレー語(Bahasa Melayu)です。
学校教育や行政書類、公的機関では原則としてマレー語が使われています。
ですが、実際の社会生活では英語の重要性が非常に高く、特に都市部や観光地、ビジネスシーンでは英語が“第2の共通語”として機能しています。
マレー語はイスラムの文化や伝統を反映した表現が多く、宗教行事や地元イベントでは使われる頻度が高いですが、英語だけでも十分に生活・交流が可能な点が、他の東南アジア諸国と比較したときの大きな利点です。
中華系・インド系の母語も日常的に使われている
マレーシアの国民構成は、マレー系約60%、中華系約23%、インド系約7%とされており、各民族が自らの母語を大切にして使っていることが特徴です。
中華系の家庭や地域では北京語、広東語、福建語などの中国語系言語が活発に使用されており、中国語の看板やメニューも多く見かけます。
一方、インド系の人々は主にタミル語を家庭内や寺院などで使用し、地域によってはヒンディー語やマラヤーラム語も話されています。
このように、マレーシア社会は“共存型の多言語文化”が根づいている珍しい国と言えるでしょう。
状況や相手に応じて言語を即座に切り替える柔軟性
マレーシアでは、話す相手や場面によって自然に言語を切り替える文化が浸透しています。
たとえば中華系同士であれば中国語、マレー系との会話ではマレー語、外国人相手には英語といったように、1つの会話の中で言語を何度もスイッチする「コードスイッチング」が日常的です。
この柔軟性は、外国人にとっては非常にありがたく、言葉に不安があっても理解しようとしてくれる姿勢を感じやすい環境です。
多文化に寛容な国民性も相まって、言語の壁を乗り越えやすい雰囲気が魅力です。
英語はどの程度通じる?生活・仕事別に解説

移住や旅行をするうえで「英語がどれくらい通じるのか?」は非常に気になるポイントです。
マレーシアでは英語が第2言語として広く使用されており、外国人でも比較的安心して暮らすことができます。
ここでは、生活や仕事の場面別に英語事情を詳しく解説していきます。
日常生活では基本的な英語で十分に対応可能
スーパー、レストラン、タクシー、ホテル、観光地など、ほとんどの公共施設で英語が通じます。
スタッフも基本の英会話に対応しており「Where is the toilet?(トイレはどこですか?)」などシンプルなフレーズで十分です。
現地の人々も外国人慣れしているため、片言でも理解しようと親切に対応してくれます。
都市部では英語表記の看板や案内も充実しているため、言語面での不安は少なめと言えるでしょう。
初めての東南アジア移住先としてマレーシアが人気なのも、この「英語の通じやすさ」が大きく影響しています。
仕事では「使える英語力」が求められることが多い
マレーシアでの就職では、業種や職種によって異なるものの、ビジネスレベルの英語力が求められるケースが多いです。
特に外資系企業や日系企業の現地法人では、社内の共通言語が英語であることが一般的。
会議やメール、顧客対応など、英語での実践的なスキルが必要です。
ただし、求められる英語力の程度は「ネイティブ並」ではなく、「正確に伝え、相手の意図を理解できる実務的なレベル」でOKだったりします。
TOEICやIELTSのスコアよりも、現場での対応力が重視される傾向が見受けられます。
マングリッシュに慣れるのがカギ
マレーシアで話される英語は「Manglish(マングリッシュ)」と呼ばれるローカルスタイルです。
マレー語や中国語、タミル語などの言語要素が混ざった英語で、文法が簡略化されていたり、語尾に「lah」や「meh」がつくなど特徴的な話し方をします。
例:「Can go lah(行けるよ)」や「You want or not?(欲しい?)」など。
最初は戸惑うかもしれませんが、日常生活ではこのスタイルの方がむしろ通じやすく、現地に溶け込む早道になります。
聞き取る力と慣れがポイントです。
移住生活で覚えておくと便利なマレー語表現集

英語が通じるとはいえ、現地の言葉を少しでも理解しておくと、マレーシアでの生活がよりスムーズで楽しいものにできます。
とくにマレー語の基本フレーズは覚えておくと役立つ場面が多く、現地の人との距離もぐっと縮まります。
ここでは覚えておきたいマレー語をシーン別に紹介!
まずは挨拶・買い物・レストランで使える基本フレーズ
マレー語は覚えやすく、発音もしやすい言語です。
旅行者や移住者が最初に覚えると便利な表現としては「Selamat pagi(おはよう)」「Apa khabar?(元気ですか?)」「Terima kasih(ありがとう)」「Berapa harga ini?(これはいくらですか?)」などがあります。
マレーシア人は、自国の言葉を外国人が使ってくれるととても喜んでくれるため、挨拶だけでも覚えておくと印象が良くなります。
買い物やタクシー、屋台でのちょっとした会話に役立ちます。
マレー語表記はローマ字!読みやすさもポイント
マレー語の最大の特徴の一つは、ローマ字表記で構成されていることです。
英語を学んでいる日本人にとっては非常に親しみやすく、文字を見ればある程度の発音が予測しやすい利点があります。
たとえば「makanan=食べ物」「minuman=飲み物」「tandas=トイレ」など、基礎単語を覚えておくと表示や案内板を理解する助けになります。
アラビア文字(ジャウィ表記)もありますが、こちらはイスラム関連の場面に限定され、一般生活にはあまり登場しません。
現地で人気の表現やローカル用語を楽しもう
マレー語やマングリッシュには、現地特有のカジュアル表現やスラングが数多く存在します。
「lah」は同意や強調の意味で疲れており「meh」は疑問のニュアンスを加える言葉です。
友人間の会話では「OK lah」や「No need meh?」のように使われます。
「jom(行こう!)」「lepak(だらだら過ごす)」など、カジュアルなローカル語も知っていると、若い世代やフレンドリーな人々とより深く交流できます。
マレーシア生活をもっと楽しみたい場合は、こうした言葉遊びにも触れてみましょう。
まとめ
マレーシアでは多様な言語が使われていますが、英語が準共通語として広く通じ、移住者にとっても非常に住みやすい環境が整っています。
マレー語や中国語、タミル語にも触れることで現地の文化や人々とのつながりがより深まります。
英語が苦手でも「伝える意志」があれば大丈夫。言語を楽しむ気持ちを大切に、マレーシアでの暮らしを満喫しましょう。
マレーシア 言語に関するよくある質問
はい、都市部を中心に日常生活では基本的に英語が通じます。英語で買い物や外食も問題ありません。
基本のマレー語を知っておくと便利ですが、英語ができれば生活に大きな支障はありません。
「マングリッシュ」と呼ばれる独特の発音や表現に慣れる必要はありますが、通じることを重視するスタイルなので安心です。
可能ですが、英語が通じない場面もあるため、最低限の英語表現を覚えるか、サポートサービスを利用するのが理想的です。