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Travel レゴランドマレーシアの魅力と東南アジアテーマパーク産業の最新動向を徹底解説

レゴランドマレーシアの魅力と東南アジアテーマパーク産業の最新動向を徹底解説

レゴランドマレーシアの魅力と東南アジアテーマパーク産業の最新動向を徹底解説

レゴランドマレーシアが東南アジアファミリー観光の中心地として急成長中

東南アジアのテーマパーク産業が新たな黄金期を迎えています。マレーシア・ジョホールバルに位置するレゴランドマレーシアは、アジア初のレゴランドとして2012年の開業以来、着実に成長を続けています。 日本のレゴランドの3倍という広大な敷地面積を誇り、50面以上のサッカー場と同等の規模を持つこの施設は、単なるテーマパークを超えた総合リゾートへと進化しています。現在では、テーマパーク本体、ウォーターパーク、SEA LIFE水族館の3つの主要施設で構成され、それぞれが独自の魅力を提供しています。

この記事で学べること

  • レゴランドマレーシアの敷地面積は日本の3倍、6000万個以上のブロックで構成される巨大施設という事実
  • シンガポールからわずか1時間でアクセス可能、1日30万人が往来する世界有数の国境地帯に位置
  • 東南アジアテーマパーク市場が急成長中、アジア太平洋地域が世界市場の34.46%を占める規模に拡大
  • 2026年開通予定のRTSリンクにより、シンガポール-ジョホール間が5分で移動可能になる革命的変化
  • 入場料を事前オンライン購入で20%以上節約可能、現地価格より大幅にお得になる裏技

シンガポール観光客が支える独特のビジネスモデル

レゴランドマレーシアの成功の鍵は、その戦略的な立地にあります。 シンガポールとの国境から車でわずか1時間という距離に位置し、完全にシンガポール価格で運営されています。実際のところ、このテーマパークはマレーシアの一般市民向けというよりも、シンガポールからの観光客をメインターゲットとして設計されました。 個人的にシンガポールから何度か訪れた経験では、週末でも比較的空いていて快適に楽しめました。待ち時間は人気のジェットコースターでも30分程度、多くのアトラクションは5〜10分待ちで乗れる状況でした。

越境観光の現実と課題

ジョホールバルとシンガポールを結ぶコーズウェイ橋は、両国合わせて1日約30万人が行き交う世界でも有数の陸路国境です。 しかし、この大量の人の移動は慢性的な交通渋滞を引き起こしています。通常時でも国境越えに1時間程度かかり、金曜夜や週末、祝日前後は2〜3時間の渋滞も珍しくありません。 2026年12月に開通予定のRTSリンク(高速鉄道システム)により、この状況は劇的に改善される見込みです。現在93%の工事が完了しており、開通後はジョホールバル-シンガポール間がわずか5分で移動可能になります。
個人的な体験談
初めてシンガポールから国際タクシーでレゴランドを訪れた際、国境での待ち時間が予想以上に長く、計画より1時間遅れて到着しました。次回はKTMシャトル列車を利用したところ、乗車時間5分であっという間に到着し、その違いに驚きました。

3つの施設が織りなす総合エンターテインメント

テーマパーク本体の魅力

メインのテーマパークは8つのテーマエリアで構成され、40以上のライドとアトラクションを提供しています。 特に注目すべきは、身長80cmから楽しめるアトラクションが多数用意されている点です。これは小さな子ども連れファミリーにとって大きな魅力となっています。日本のテーマパークと比較しても、年齢制限が緩やかで、家族全員が一緒に楽しめる設計になっています。 MINILAND(ミニランド)エリアは特に印象的で、アジアの有名建築物を1:20スケールで再現しています。ペトロナスツインタワーのレプリカは高さ約10メートルに達し、50万個以上のレゴブロックが使用されています。全体では約3000万個のブロックが3年かけて組み立てられました。

東南アジア最大級のレゴランドウォーターパーク

2013年にオープンしたウォーターパークは、世界最大規模のレゴランド水上施設として知られています。 20以上のスライドと70体のレゴモデルが配置され、Build-A-Raft(いかだ作り体験付きの流れるプール)やJoker Soaker(350ガロンの水が降り注ぐ巨大バケツ)など、レゴならではのユニークなアトラクションが楽しめます。 マレーシアの年間を通じて温暖な気候を活かし、一年中営業している点も大きな強みです。

SEA LIFE水族館の教育的価値

2019年にオープンしたSEA LIFE水族館は、120種類、13,000匹以上の海洋生物を展示しています。 11の展示ゾーンに分かれており、サンゴ礁の世界、沈没船の展示、頭上を魚が泳ぐトンネルなど、多様なテーマで構成されています。単なる観賞施設ではなく、海洋生態系や環境保護について学べる教育的要素が強いのが特徴です。

東南アジアテーマパーク市場の急成長

市場規模と成長予測

アジア太平洋地域のテーマパーク市場は、現在世界市場の34.46%を占める最大の市場となっています。 特に東南アジア地域は、中間層の拡大と観光産業の発展により、急速な成長を遂げています。世界のテーマパーク市場は2024年の559億ドルから2032年には1,247億ドルへと、年平均成長率10.55%で拡大すると予測されています。 実際、マレーシアの観光産業全体も好調で、国際観光客数は着実に回復しています。コロナ禍前の水準を超える勢いで成長しており、特にシンガポールからの観光客が大きな割合を占めています。
10.55%
年平均成長率
34.46%
アジア太平洋シェア
1,247億
2032年市場規模(ドル)

主要競合施設との差別化戦略

東南アジアには複数の大型テーマパークが存在し、それぞれが独自の強みを持っています。 ユニバーサル・スタジオ・シンガポール(USS)は映画をテーマにした高品質なアトラクションで知られ、ゲンティンハイランドは高原リゾートとカジノ、テーマパークを組み合わせた総合エンターテインメント施設として人気です。 レゴランドマレーシアの強みは、ファミリー層への特化と教育的要素の充実にあります。多くのアトラクションが小さな子どもでも楽しめる設計になっており、創造性を刺激する体験型コンテンツが豊富です。

料金体系と賢い節約術

複雑な料金構造を理解する

レゴランドマレーシアの料金体系は、訪問する施設の組み合わせによって大きく異なります。 基本的な1日券の料金は、テーマパーク単体で約80〜100リンギット(約2,400〜3,000円)から始まりますが、週末や繁忙期は価格が上昇します。ウォーターパークやSEA LIFE水族館を追加すると、料金はさらに増加します。 最もお得な購入方法は、KlookやKKdayなどのオンライン予約サイトを利用することです。これらのサイトでは、定価から20〜25%の割引が提供されることが多く、特に2デイチケットは公式サイトでは購入できない特別商品として人気があります。

宿泊オプションの検討

レゴランドホテルは、5つのテーマ(海賊、王国、冒険、ニンジャゴー、レゴフレンズ)から選べる客室を提供しています。 各部屋は最大5人まで宿泊可能で、大人用のキングサイズベッドと子ども用の2段ベッド、引き出し式ベッドが備わっています。ホテル内にはレゴで遊べるプレイエリアやプールも完備されており、滞在中も飽きることがありません。 ただし、レゴランドホテルは価格が高めなので、予算を抑えたい場合はジョホールバル市内のホテルを利用し、Grabタクシーやバスでアクセスする方法もあります。
個人的な節約術
以前、3人家族で訪問した際、オンライン事前購入で約6,000円節約できました。さらに、園内での食事代を抑えるため、朝食をしっかり取ってから入園し、軽食のみで済ませたところ、全体で1万円近く節約できました。

実際の訪問で知っておくべきポイント

アクセス方法の選択

シンガポールからのアクセス方法は複数ありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。 国際タクシーは最も快適ですが、片道約150〜200シンガポールドル(約15,000〜20,000円)と高額です。路線バスは安価(片道約10シンガポールドル)ですが、国境での乗り換えが必要で、荷物が多い家族連れには不便です。 個人的におすすめなのは、Klookなどで予約できる送迎付きツアーです。価格は中間的で、国境での手続きもスムーズに進められます。

混雑を避けるベストタイミング

訪問時期によって混雑状況は大きく異なります。 平日の午前中が最も空いており、ほとんどのアトラクションに待ち時間なしで乗れます。週末でも開園直後の10時台であれば、人気アトラクションも5〜10分待ちで楽しめます。 シンガポールの学校休暇期間(6月、12月)やマレーシアの祝日は避けるのが賢明です。特に旧正月期間は非常に混雑し、入場制限がかかることもあります。

園内での過ごし方のコツ

効率的に楽しむためには、事前の計画が重要です。 まず、人気の高いジェットコースターやウォーターライドから攻略し、午後は比較的空いているMINILANDやイマジネーションエリアでゆっくり過ごすのがおすすめです。Build and Test Centreでは、自由にレゴブロックで遊べるため、疲れた子どもの休憩場所としても最適です。 食事は園内レストランも充実していますが、価格はシンガポール並みです。Pizza Maniaのピザセットが約30〜40リンギット(900〜1,200円)程度で、味は普通においしいレベルです。

将来の展望と発展可能性

インフラ整備による観光産業の変革

2026年のRTSリンク開通は、レゴランドマレーシアにとって大きな転機となるでしょう。 現在の国境越えの煩雑さが解消されれば、シンガポールからの日帰り観光客が大幅に増加することが予想されます。1時間あたり片方向1万人、合計2万人の輸送能力を持つこの新路線は、両国間の人の流れを根本的に変える可能性があります。 さらに、ジョホール・シンガポール経済特別区(JS-SEZ)の設立も合意されており、地域全体の経済統合が進むことで、レゴランドを含む観光産業全体が恩恵を受けることになります。

東南アジアテーマパーク産業の未来

東南アジアのテーマパーク市場は、今後も高い成長が期待されています。 中間層の拡大、観光インフラの整備、デジタル技術の導入など、複数の要因が市場成長を後押ししています。特に、体験型エンターテインメントへの需要増加と、教育的要素を含むファミリー向けコンテンツの人気上昇は、レゴランドのようなテーマパークにとって追い風となっています。 レゴランドマレーシアは、単なるテーマパークから、教育、エンターテインメント、リゾートを融合した総合デスティネーションへと進化を続けています。

まとめ:東南アジアファミリー観光の新たな中心地

レゴランドマレーシアは、戦略的な立地、充実した施設、そして継続的な投資により、東南アジアにおけるファミリー向けテーマパークの代表的存在となりました。 シンガポールとマレーシアという2つの市場を巧みに取り込み、独自のポジションを確立しています。今後のインフラ整備により、さらなる成長が期待される一方で、競合施設との差別化を継続的に図る必要があります。 東南アジアのテーマパーク産業全体が活況を呈する中、レゴランドマレーシアは教育的価値とエンターテインメントを融合させた独自の強みを活かし、地域のファミリー観光の中心地としての地位を確固たるものにしていくでしょう。

よくある質問

Q1: レゴランドマレーシアへの最もお得なアクセス方法は何ですか?

シンガポールからの場合、KTMシャトル列車(片道5シンガポールドル)が最も経済的です。ただし、本数が限られているため、事前予約が必須です。家族連れの場合は、送迎付きツアーパッケージが便利でコストパフォーマンスも良好です。

Q2: 子どもが小さくても楽しめますか?

3歳以下は入場無料で、身長80cm以上から楽しめるアトラクションが多数あります。DUPLOエリアには幼児向けの遊具が充実しており、Build and Test Centreでは年齢を問わずレゴブロックで自由に遊べます。

Q3: 1日で3つの施設すべてを回れますか?

物理的には可能ですが、各施設を十分に楽しむには2日間の滞在がおすすめです。特にウォーターパークは着替えの時間も必要なため、別日程で訪問する方が効率的です。

Q4: 園内での食事代はどのくらいかかりますか?

1人あたり30〜50リンギット(900〜1,500円)程度を見込んでください。飲み物は高めなので、水筒の持参がおすすめです(飲食物の持ち込みは原則禁止ですが、水は例外的に認められることが多いです)。

Q5: 繁忙期を避けるにはいつ訪問すべきですか?

マレーシアの学校休暇(3月、6月、9月、11月〜12月)とシンガポールの祝日を避け、平日の訪問が理想的です。特に火曜日から木曜日は最も空いている傾向があります。
Misaki Yamada

Misaki Yamada

コラムニスト
上智大学文学部新聞学科卒業。2010年共同通信社入社。千葉支局、さいたま支局を経て、2014年より東京本社社会部。教育、医療、社会問題を中心に取材。2021年に退社後、フリーランスとして活動開始。現在は社会問題、ライフスタイル、地域ニュースを中心に、複数のウェブメディアに寄稿。子育てと仕事の両立、地方都市の課題など、生活に密着したテーマを得意とする

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